Home » 一括発注(バルクオーダー)とは?メリットとリスクを解説

一括発注(バルクオーダー)とは?メリットとリスクを解説

Incoterms 2020

一括発注(バルクオーダー)とは

一括発注は、ほぼすべての物販ビジネスの基盤となる手法であり、利益が出る価格で商品を仕入れるための手段です。しかし、「とりあえず大量に注文する」ことにはリスクが伴い、売れ残った在庫は資金を棚に眠らせることと同義です。本記事では、一括発注の定義、コストが下がる理由、そして適切な発注量を決める方法について解説します。

一括発注とは何か

一括発注とは、少量を小分けに購入するのではなく、一度の注文で商品を大量に購入することを指します。調達の現場では通常、卸売価格を適用するためにサプライヤーの最小発注数量(MOQ)以上を注文することを意味します。その目的は規模の経済です。より多くの数量を確保することで、少量購入では不可能な単価の引き下げが可能になります。

一括発注で単価が下がる理由

コスト削減は、生産と供給の仕組みによるものです。サプライヤーには、機械のセットアップ、大量購入する原材料、人件費、管理費といった固定費が発生します。これらのコストを大量注文に分散させることで、1個あたりの負担が減り、商品単価が低下します。逆に少量購入では、同じ固定費が少ない個数に割り振られるため、価格が上昇してしまいます。一括発注が利益率向上の鍵であり、魅力的な低価格が実現できるのは、常に一定の数量を前提としているからです。

一括発注のメリット

単価の低下に加え、一括発注には実用的な利点がいくつかあります。多くの場合、1回で大量の貨物を発送するほうが小分けにして発送するよりも効率的なため、1個あたりの配送コストも削減できます。また、シーズン中に在庫切れを起こすリスクも減ります。さらに、定期的かつ大規模な注文はサプライヤーからの信頼につながり、有利な条件を引き出したり、必要な時に優先的な対応を受けられたりする可能性があります。実績のある商品を販売するビジネスにおいて、一括発注は利益を確保するための基本戦略です。

考慮すべきリスク

一方で、一括発注には無視できないリスクもあります。一括発注を行うとキャッシュが在庫として固定されてしまい、期待通りに商品が売れない場合、資金が回収できなくなるだけでなく、保管コストが発生する可能性があります。販売実績のない商品に対して過剰に発注することは、初心者が陥りやすい最も一般的かつ致命的なミスです。賢明なアプローチは、規模を拡大する前に需要を証明することです。まずは少量(理想的にはトライアル)から始め、商品が売れることを確認したうえで、本格的な一括発注に踏み切るのが正攻法です。在庫をさばけなければ、単価の安さは何の利益も生みません。

よくある質問

一括発注(バルクオーダー)とは何を指しますか?

一度に大量の商品を購入することを指し、通常は卸売価格を確保するためにサプライヤーの最小発注数量以上を購入することを意味します。決まった数値はなく、商品やサプライヤーによって異なります。

なぜ一括発注だと単価が安くなるのですか?

サプライヤーの固定的なセットアップコストがより多くの製品数に分散され、1個あたりの負担額が減るためです。また、大量の貨物を一度に発送するほうが小分けにするより効率的なため、1個あたりの配送コストも通常は低下します。

一括発注にはリスクがありますか?

キャッシュが在庫として固定されるため、リスクはあります。商品が売れなければ資金が回収できません。まずは少量注文で需要を証明し、商品が売れると分かってから一括発注に切り替えるのが安全です。

最初の一括発注はどのくらいの量にすべきですか?

商品が売れると確信できるまでは、納得できる価格を維持しつつ、サプライヤーが許可する最小限の量に留めるべきです。テストをしていない商品に初回から大量注文することは避け、控えめに開始して徐々にスケールアップしてください。

{
“@context”:”https://schema.org”,”@type”:”FAQPage”,”mainEntity”:[
{“@type”:”Question”,”name”:”What counts as a bulk order?”,”acceptedAnswer”:{“@type”:”Answer”,”text”:”一度に大量の商品を購入することを指し、通常は卸売価格を確保するためにサプライヤーの最小発注数量以上を購入することを意味します。決まった数値はなく、商品やサプライヤーによって異なります。”}},
{“@type”:”Question”,”name”:”Why are bulk orders cheaper per unit?”,”acceptedAnswer”:{“@type”:”Answer”,”text”:”サプライヤーの固定的なセットアップコストがより多くの製品数に分散され、1個あたりの負担額が減るためです。また、大量の貨物を一度に発送するほうが小分けにするより効率的なため、1個あたりの配送コストも通常は低下します。”}},
{“@type”:”Question”,”name”:”Is it risky to buy in bulk?”,”acceptedAnswer”:{“@type”:”Answer”,”text”:”キャッシュが在庫として固定されるため、リスクはあります。商品が売れなければ資金が回収できません。まずは少量注文で需要を証明し、商品が売れると分かってから一括発注に切り替えるのが安全です。”}},
{“@type”:”Question”,”name”:”How big should my first bulk order be?”,”acceptedAnswer”:{“@type”:”Answer”,”text”:”商品が売れると確信できるまでは、納得できる価格を維持しつつ、サプライヤーが許可する最小限の量に留めるべきです。テストをしていない商品に初回から大量注文することは避け、控えめに開始して徐々にスケールアップしてください。”}}
]
}

Continue learning

This article is part of a learning path — return to explore more topics.

Back to learning paths →

Keep reading

Related articles

ホワイトレーベル製造とは:仕組みとメリットを解説

ホワイトレーベル製造とは .pss-table{width:100%;border-collapse:collapse;margin:1.6rem 0;font-family:’Lato’,sans-serif;font-size:1rem} .pss-table th,.pss-table td{border:1px solid #e2e8ec;padding:12px 16px;text-align:left;vertical-align:top} .pss-table thead th{background:#123e56;color:#fff;font-family:’Poppins’,sans-serif;font-weight:600;font-size:.95rem} .pss-table tbody tr:nth-child(even){background:#f5f7fa} .pss-table td:first-child{font-weight:600;color:#123e56} ホワイトレーベル製造は、自社ブランド製品を市場に投入する最も迅速な方法です。ゼロから製品を作るのではなく、工場がすでに多数の企業向けに生産している既存の製品に自社の名前を付けるだけで済むからです。スーパーマーケットや小規模ブランドの名前で販売されている日常的な製品の多くは、この手法によって支えられています。ここでは、その仕組みと活用すべき適切なタイミングについて解説します。 ホワイトレーベル製造の意味 ホワイトレーベル製造とは、工場が汎用的な既製品を生産し、それを複数の企業に販売する手法を指します。各企業は、その製品を自社のブランドとしてラベルを貼り替えて販売します。製品自体はどこで販売されても同一であり、変更されるのはラベルとパッケージのみです。この名称は、ブランド名が記載されるのを待っている「真っ白なラベル」という概念に由来しています。製品をゼロから設計するのではなく、すでに実績のある製品を仕入れ、名前だけを自社のものにするという手法です。 仕組み そのプロセスは非常にシンプルです。まず、自社が取り扱うカテゴリーでホワイトレーベル製品を提供しているメーカーを探し、ブランディングやパッケージについて合意します。次にサンプルを注文して品質を確認し、自社のラベルを適用した生産を発注します。製品はすでに存在し、工場もブランド化に対応した体制が整っているため、開発の手間はほとんどなく、短期間で販売を開始できます。再注文も同様に容易で、工場は単に生産数を増やすだけです。 ホワイトレーベルとプライベートレーベルの違い これらは混同されがちですが、知っておくべき明確な違いがあります。ホワイトレーベルは、ラベル以外にほとんど、あるいは全くカスタマイズを加えず、多数のブランドに販売される汎用製品を指します。プライベートレーベルは、通常よりカスタマイズ性が高く、そのブランド専用の独占的な製品となります。簡潔に言えば、ホワイトレーベルは「自社の名前が入った標準品」、プライベートレーベルは「自社独自のバージョン」に近いものです。詳しい比較についてはプライベートレーベル対ホワイトレーベルの記事をご覧ください。 ホワイトレーベルが適している場合

Read More »

海外サプライヤーの審査方法

サプライヤーの審査方法 .pss-table{width:100%;border-collapse:collapse;margin:1.6rem 0;font-family:’Lato’,sans-serif;font-size:1rem} .pss-table th,.pss-table td{border:1px solid #e2e8ec;padding:12px 16px;text-align:left;vertical-align:top} .pss-table thead th{background:#123e56;color:#fff;font-family:’Poppins’,sans-serif;font-weight:600;font-size:.95rem} .pss-table tbody tr:nth-child(even){background:#f5f7fa} .pss-table td:first-child{font-weight:600;color:#123e56} サプライヤーの審査(ベッティング)は、ソーシングにおいて最も価値のある習慣です。海外サプライヤーとの取引で資金を失うバイヤーの事例は、そのほとんどが同じ結末を迎えます。つまり、審査を怠ったということです。幸いなことに、審査は複雑でも高価でもありません。支払いを行う前に実施する短いルーチンであり、これによって大半の問題を未然に防ぐことができます。本章では、審査と詐欺対策について解説します。 なぜ審査が重要なのか マーケットプレイスで商品を購入する際、あなたは一度も会ったことのない個々のサプライヤーに、資金と注文を委ねることになります。優れたサプライヤーもいれば、平凡なサプライヤーもおり、中には明確な詐欺師もいます。洗練された商品リストだけでは、相手がどのタイプかを判断することは困難です。審査を行うことは、損害を被る前にそれを見分けるための手段です。これにより、「このサプライヤーは本物であってほしい」という願望を、「確認済みであり、結果はこうだった」という確信へと変え、自分にとって有利な状況を作り出すことができます。 審査の核心 堅実な審査ルーチンには、以下のいくつかの要素が含まれます。 サンプルを注文する。 最も信頼できる確認方法です。サンプルを見ることで、製品そのものだけでなく、大量発注の前にサプライヤーの運用体制を確認できます。 取引年数を確認する。

Read More »

デュアルソーシングとは

デュアルソーシングとは .pss-table{width:100%;border-collapse:collapse;margin:1.6rem 0;font-family:’Lato’,sans-serif;font-size:1rem} .pss-table th,.pss-table td{border:1px solid #e2e8ec;padding:12px 16px;text-align:left;vertical-align:top} .pss-table thead th{background:#123e56;color:#fff;font-family:’Poppins’,sans-serif;font-weight:600;font-size:.95rem} .pss-table tbody tr:nth-child(even){background:#f5f7fa} .pss-table td:first-child{font-weight:600;color:#123e56} 単一のサプライヤーに依存することは、成長中の多くの製品ビジネスが直面する静かなリスクです。依存している工場が価格を値上げしたり、品質が低下したり、あるいは単に納期を守れなくなったりするまでは問題ないように思えますが、その瞬間にビジネスは停止してしまいます。デュアルソーシングは、こうしたリスクに対する直接的な解決策です。本稿では、その概要と導入の判断基準について解説します。 デュアルソーシングの定義 デュアルソーシングとは、同じ製品や素材に対して1社ではなく2社のサプライヤーを利用することを指します。メインのサプライヤーから大半を購入しつつ、認定済みの第2のサプライヤーを待機させておく方法や、2社間で注文を分割する方法があります。重要なのは、単一の調達源に完全に依存しないようにすることで、一方に問題が発生しても事業全体が停止しないようにすることです。 リスクを低減する理由 単一のサプライヤーは「単一障害点」となります。相手側の供給能力の問題、品質の低下、価格上昇、あるいは操業停止が発生した場合、こちらには代替案も交渉材料もありません。第2のサプライヤーを確保しておけば、同じ事態が起きても「危機」ではなく「不都合」程度で済みます。メインのサプライヤーが復旧するまで、もう一方のサプライヤーへ注文をシフトできるからです。また、代替サプライヤーの存在は交渉力も高めます。他社への切り替えが可能であることを知っているサプライヤーは、価格やサービスを競争力のある水準に維持する動機が生まれます。デュアルソーシングは「依存」を「選択肢」に変える手法です。 コストとトレードオフ デュアルソーシングにはコストがかかります。注文を2社に分けるということは、各社への注文数が減ることを意味し、1社に集約した場合に得られるボリュームディスカウント(数量割引)を一部失う可能性があります。また、2社との関係を維持するための時間と、両社で品質の一貫性を保つための努力も必要になります。つまり、単一サプライヤーに依存しないというセキュリティと、2社を管理するためのコストや労力とのバランスの問題です。低リスクの製品や信頼できるサプライヤーの場合は見合わないかもしれませんが、ビジネスの命綱となる製品であれば、通常は導入する価値があります。 導入のタイミング

Read More »

MOQとは?意味と仕組みを徹底解説

MOQとは?その意味を解説 サプライヤーの商品リストやメールで「MOQ」という言葉を見かけて、その意味を知りたいと思っていませんか?結論から言うと、MOQは「Minimum Order Quantity」の略で、日本語では「最小発注数量」を指します。サプライヤーが一度の注文で受け入れる最小の数量のことです。言葉の意味はこれだけですが、貿易や仕入れの現場でどこで見かけるのか、バイヤーとしてどのような影響があるのかを知っておくことは非常に重要です。 MOQを分かりやすく解説 MOQは「最低発注数量」のことです。例えば、あるサプライヤーのMOQが200と設定されている場合、200個未満の注文は受け付けられないという意味になります。これは単なる目安ではなく、取引の条件(閾値)です。ただし、仕入れの世界の多くのことと同様に、交渉次第で柔軟に対応してもらえることも少なくありません。表記としては「MOQ: 500」、「minimum order 500 units(最小発注500個)」のように記載されるか、サプライヤーへの問い合わせに対する回答の中で伝えられることが一般的です。 MOQはどこで使われるのか MOQは、製品が大量に取引される場所であればどこにでも登場します。Alibabaのようなマーケットプレイスでは、ほぼすべての商品に記載されています。また、カスタムメイドやOEM製品を依頼する際にも製造元から提示されます。卸売業者は取引価格を提示する前にMOQを設定します。さらに、パッケージ、印刷、部品の調達など、サプライヤーにセットアップ費用が発生するあらゆる場面で関係してきます。転売や製品製造のために商品を仕入れる場合、常にMOQと向き合うことになります。 バイヤーにとってのMOQの意味 実務上の影響は主に2点あります。第一に、その製品を現実的に取り扱えるかどうかを判断する基準になります。最小で5,000個という条件と50個という条件では、ビジネスの難易度が大きく異なります。第二に、価格との連動です。魅力的な単価は「最低でもMOQ分は発注すること」を前提に算出されていることが多いため、それ未満の注文になると単価が跳ね上がることがあります。つまり、MOQは単なる数量のルールではなく、仕入れコストそのものを左右する要素です。常に単価とセットで確認するようにしましょう。 MOQの交渉は可能か? 多くの場合、交渉は可能です。特に初回注文で、将来的なリピート取引が見込めるのであれば、交渉の余地は十分にあります。MOQが高い場合の対策として、カスタム製品ではなく標準品を選ぶ、少量に対応可能な商社を経由する、あるいはサプライヤーに直接MOQの引き下げを交渉するといった方法があります。詳細については、弊社の完全ガイド「what is MOQ」で、なぜ最低数量が存在するのか、どのように交渉すべきかを詳しく解説しています。 初回注文時のヒント MOQが高すぎると感じた場合でも、黙って諦めないでください。まずは相手に相談してみましょう。「まずは製品と貴社との相性を試すためのトライアル発注であることを伝え、将来的にリピートする意思がある」と正直に話し、「単価を少し上げても良いので、初回分を少なくできないか」と聞いてみてください。サプライヤーはこうした依頼に慣れており、将来有望な新規顧客を獲得するために「Yes」と答えてくれることは多々あります。断られたとしても、失うものは何もありません。 MOQと「Minimum Order Value(最低発注金額)」の違い 似たような用語に「Minimum Order

Read More »

海外サプライヤーへの安全な支払い方法とリスク回避ガイド

海外サプライヤーへの安全な支払い方法と資産防衛策 海外のサプライヤーに支払う瞬間は、調達プロセスにおいて最も無防備になりやすいタイミングです。送金したお金が手元を離れ、一度も会ったことのない相手が商品を確実に送ってくれることを信じるしかないからです。しかし、正しい決済方法を選べば、リスクは限りなくゼロに近づきます。逆に間違った方法を選べば、輸入ビジネスにおける回避可能な損失のほとんどがここで発生します。本項目では、支払い、契約、そして自己防衛について詳しく解説します。安全な支払いの概要をご覧ください。 損失を防ぐための「唯一の鉄則」 他のすべてを忘れても、これだけは覚えておいてください。特に新規サプライヤーとの取引では、必ず「保護された決済経路」を使用することです。サプライヤーにお金を騙し取られたという話のほとんどは、同じ結末を迎えます。つまり、十分な審査を行っていないサプライヤーに対し、直接銀行送金(T/T)を行い、結果として商品が届かなかったり、合意内容と異なる商品が届いたりするケースです。どの決済方法を選択するかは、自分自身でコントロールできる最も重要なリスク対策であり、ここだけは断固とした態度で臨むべきです。 主な支払い方法とその安全性 Trade Assuranceおよびプラットフォームのエスクロー決済。 Alibabaなどのプラットフォームでは、Trade Assurance(貿易保証)が注文内容の通りに商品が到着したことを確認するまで、支払金を一時保管します。これはほとんどの注文において最も安全な選択肢であり、新規サプライヤーとの取引ではデフォルトの選択肢とすべきです。 プラットフォームを通じたクレジットカード/デビットカード払い。 小口注文やサンプルの購入には適度な保護機能があります。決済がプラットフォーム上で処理され、カード会社側での異議申し立てが可能な場合があるためです。 サプライヤーへの直接銀行送金(T/T)。 電信送金(T/T)は国際貿易で一般的ですが、サプライヤーの口座に直接送金すると保護はほとんど受けられません。一度送金してしまうと、取り戻すことは極めて困難です。この方法は、すでに信頼関係があり、取引実績のあるサプライヤーに対してのみ使用してください。 信用状(L/C)。 大口注文の場合、信用状(L/C)は銀行を介した強力な保護を提供しますが、手続きが複雑であり、実績のある企業間の大規模な取引に適しています。詳細は「Learn Trade Finance」をご参照ください。 サプライヤーの一般的な支払い条件 多くのサプライヤーは全額の前払いを要求しません。一般的な取り決めは、製造前のデポジット(手付金)と出荷前の残金決済です。「30/70」のように表記され、30%を前払いし、完了時に70%を支払う形です。この構造は双方を守ります。サプライヤーは着手のための保証を得られ、輸入業者はまだ存在しない商品に対して全額を支払わずに済みます。可能な限り、これらの支払いを保護された経路と結びつけ、万が一の際にデポジットが消えてしまわないようにしましょう。詳細はT/T支払いとはをご参照ください。 支払い段階における警告サイン(レッドフラッグ) 支払いの瞬間こそ、注意すべき危険信号が最も表れやすい場面です。サプライヤーがプラットフォームの保護機能を回避して直接送金するよう強く求めてきた場合や、法人名義ではなく個人口座への送金を要求してきた場合、または支払いを急かしたり、意図的に疑わしいほど低価格を提示してきた場合は非常に注意が必要です。初回注文でこれらに当てはまるものがあれば、取引を一時停止し、相手の信頼性を再確認してください。正当なサプライヤーは保護された支払い方法を歓迎しますが、詐欺師はそれを嫌がります。 支払い方法以外での自己防衛 安全な支払いは、本項で紹介する他の保護策と組み合わせることで効果を発揮します。書面によるサプライヤー契約や合意事項は、相手を縛る根拠となります。独自製品の場合、NNN合意が設計を守る助けになります。また、大口注文の場合は、出荷前検査を行うことで、商品が正しいことを確認してから残金を支払うことができます。支払い安全性は一つの層に過ぎません。これらを組み合わせることで、不安の伴う初回注文をコントロールされたプロセスに変えることができます。 初回注文時の安全な支払いルーチン 新規サプライヤーとの初回注文では、シンプルなルーチンがリスクの大部分を取り除きます。まず、書面で合意し、仕様を明確にします。次に、直接送金ではなく、Trade

Read More »

FOB価格とは何か:輸入業者が知っておくべき基本事項

FOB価格とは サプライヤーから「FOB価格」を提示された場合、それは単なる金額の提示ではありません。貨物に対するサプライヤーの責任範囲がどこまでで、どこからがバイヤーの責任になるのかを明確に示しています。FOBは調達の見積もりで最も一般的に見られる貿易条件の一つであり、これを理解することで、条件の異なる価格を誤って比較してしまうリスクを避けることができます。以下に、バイヤーの視点からFOB価格に含まれる内容を解説します。 FOBの意味 FOBは「Free On Board(本船渡し)」の略です。これは、輸送の各段階における貨物の責任の所在を定義する、国際的に認められたIncotermsの一つです。FOB価格とは、出荷元の港で貨物を船に積み込み、その国の輸出通関を完了させるまでの全ての費用をサプライヤーが負担することを意味します。貨物が船上に置かれた瞬間から、責任と費用はバイヤーに移転します。それ以降の海上運賃、保険、到着後の費用、輸入関税、最終配送にかかるコストはバイヤーの負担となります。 FOB価格に含まれるもの FOB見積もりを受け取った際、その価格には製品そのものの代金、梱包費、工場から出荷港までの輸送費、そして貨物を船に積み込み輸出通関するための費用が含まれています。一方で、含まれていないのは、メインの国際海上輸送費、輸送中の保険、そしてバイヤー側の国での通関、関税、配送費用です。つまり、FOB価格は貨物を船に載せるまでの費用であり、残りのプロセスは別途手配・支払いを行う必要があります。 なぜ多くのバイヤーがFOBを選ぶのか FOBは海上輸送における最も標準的な貿易条件であり、それには理由があります。「貨物を船に積み込む」という受け渡し地点が明確で検証しやすいため、サプライヤーの責任がどこで終了するのかについて曖昧さがほとんどありません。また、メインの輸送を自ら手配できるため、コントロール権を保持できるという点も重要です。独自のフォワーダー(貨物利用運送事業者)を選び、自分自身で運賃レートを交渉できるため、ドア・ツー・ドアの価格設定でサプライヤーが運賃を不当に上乗せするリスクを回避できます。コンテナ単位や一定規模の注文をするバイヤーにとって、このコントロール権は多くの場合、より良い取引条件につながります。 FOBとEXWの比較 比較対象としてよく挙げられるのがEXW(Ex Works:工場渡し)です。これは最も条件が最小限であり、サプライヤーは工場で貨物を利用可能な状態にするだけで、輸出通関を含むその後の全てをバイヤーが管理する必要があります。FOBはほとんどのバイヤーにとって、より現実的なスタートラインとなります。サプライヤーが港までの輸送と輸出通関を処理してくれるためです。これは海外からバイヤーが手配するのが最も困難な部分だからです。同じ製品であれば、FOB価格はEXW価格よりも高く見えますが、本来バイヤー自身が手配しなければならないコストが含まれているためです。 避けるべき比較の罠 コストを削減するための重要なポイントがあります。条件によって含まれるコストが異なるため、あるサプライヤーのFOB価格と別のサプライヤーのEXW価格を比較して、EXWが安いと判断するのは間違いです。不足しているコストを加算すれば、結果は変わります。常に同じ貿易条件で見積もりを依頼してください。FOBは海上輸送において比較しやすい基準となります。そうすれば、貿易条件(Incoterms)ではなく、製品とサプライヤーそのものを比較できます。条件によって価格がどのように変わるかの全体像についてはIncotermsが価格に与える影響を参照してください。また、船積み以降の輸送や通関の仕組みについては、Shipping Educationが詳細を解説しています。 具体例:FOB見積もりがカバーするもの 例えば、1,000ユニットの製品に対し、サプライヤーが「FOB深セン」で1ユニットあたり3.20ポンドの見積もりを出したとします。この計3,200ポンドには、ノートブック本体、梱包費、工場から深セン港までのトラック輸送費、中国での輸出通関費が含まれています。貨物は港に届けられ、船に積み込まれ、通関済みとなります。その時点から、バイヤーの負担が始まります。自国までの海上運賃、輸送保険、到着および取り扱い手数料、輸入関税、港から最終目的地までの配送費です。つまり、FOB価格は「注文の着地までの総コスト」ではなく、「貨物を船に積み込むためのコスト」です。バイヤーの仕事は、そこに輸送費や到着費用を加えて真の「着地コスト(Land cost)」を算出することであり、これが利益率を左右します。FOB価格を最終ラインとみなすのは、よくある初歩的な計算ミスです。 FOBとフォワーダー FOBが多くのバイヤーに支持される理由は、海外で行うべき面倒な初期ステップをサプライヤーに任せつつ、主要な輸送手段の管理権を保持できる点にあります。実際には、バイヤーがフォワーダーを選定します。サプライヤーがFOB条件で貨物を積み終えると、フォワーダーが海上輸送の予約、書類作成、到着後の配送手配を引き継ぎます。バイヤー自身がフォワーダーを選び直接支払うことで、独自のレートを得られ、ドア・ツー・ドア価格に潜む上乗せ分を回避できます。この分業こそが、コンテナ単位の海上輸送でFOBが多用される理由です。サプライヤーは自国で最も適した役割を果たし、バイヤーとフォワーダーは最も管理しやすい部分をコントロールします。船積み以降の輸送と通関の仕組みについては、Shipping Educationで詳しく解説しています。 本ガイドについて Product Sourcing

Read More »